2021.02.21
【考察】【2】【立体看板との比較検討シリーズ】「FRP樹脂(繊維強化プラスチック)で作られた造形物とは?」
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【立体看板との比較検討シリーズ】
このコラムは、新技術で作られた弊社立体看板と、
世の中で、もっともポピュラーな立体物「食品サンプル」「FRPで作られた造形物」の違いを、
以下、4つのメニューで紐解いたシリーズコラムです。
【1】【立体看板との比較検討シリーズ】「食品サンプルとは?」
【2】【立体看板との比較検討シリーズ】「FRP樹脂(繊維強化プラスチック)で作られた造形物とは?」
【3】【立体看板との比較検討シリーズ】「立体看板ドットコムの立体看板とは?」
【4】【立体看板との比較検討シリーズ】「はてさて、3者の違いは何なのか?」
※上記「立体看板」とは立体看板ドットコム独自の製法で作られた立体看板を指します。
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FRP樹脂(エフアールピー樹脂:繊維強化プラスチック)の存在を知ったのは、私が美大予備校生の時でした。
弊社に併設している屋外広告の会社が私の実家となるのですが、
そこに「祭で使う、オオサンショウウオの山車を作って欲しい」という依頼がありました。
当時美大生だった弊社代表の坂手修三と、その友人が東京から駆けつけ、
私も含めた総勢10名ほどで約2ヶ月かけて、高さ3.5m × 横幅3m × 奥行き5m の山車〈太郎(1号)〉を制作しました。
そんな巨大な立体物を作ったのは後にも先にもなく、とても面白い経験をさせていただきました!
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【岡山の奇祭! はんざき祭り】
「オオサンショウウオ(別名:ハンザキ)の山車」の製作秘話は面白いので、
また別のコラムとしてご紹介したいと思います!
写真は、左から 「太郎(1号)」 「花子(2号)」 「ねぶたハンザキ(3号)」
(私達が携わらせていただいたのは、「太郎(1号)」「ねぶたハンザキ(3号))
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稼業が物づくりをしているということもあり、FRPという言葉を何度も耳にしてきましたが、
FRPって結局どんなものなのかを詳しく知らずにきてしまったので、
今回は、そんなFRPと、FRPで作った造形物について調査していきたいと思います!
【FRP樹脂の歴史】
樹脂の技術は、20世紀初頭からアメリカで研究が始まり、様々な科学者が開発をすすめました。
しかし、当時、樹脂を固めるのに必要な加熱・加圧の技術が及ばず、
さらには手間もコストもかかるため実用化にはなかなか至りませんでした。
1930年になり、不飽和ポリエステル樹脂(プラスチックの元となる液体)が発明されたことにより、
プラスチックの歴史が動き出します。
アメリカでは、FRPで救命ボートを作り、太平洋上の遭難した将兵を救助したといわれ、
これがFRPの実用化の第一歩だったといわれています。
その後、ヨーロッパ各地に渡り、自動車産業やさまざまな分野で使われるようになり広く普及していきました。
近年では、建築材料、航空機、宇宙機、船舶、車両、スポーツ用品、プリント基板、兵器、容器、郵便ポスト、
模型、映画美術、楽器など、生活になくてはならない素材として小さいものから大きなものまで様々な分野で活用されています。
【FRPの概要】
軽量、高剛性、高弾性を得るため、繊維(ガラス繊維/カーボン繊維)を樹脂で固めたものが一般的にFRP樹脂とよばれています。
繊維と樹脂の組み合わせによってさまざまな種類がありますが、ガラス繊維とポリエステル樹脂の組み合わせが一般的で、
GFRP(Glass Fiber Reinforced Plastics)、ガラス繊維強化プラスチックと呼ばれます。超軽量で丈夫で長持ちするのが特徴です。
FRPの魅力は補修することができるというところです。また耐候性に優れていおり、寒冷地や直射日光にも強く、
さらに塩害にも強いので漁船などの船体にも向いています。
加えて耐熱性、耐薬品性、断熱性にも優れることから建築材料などにも広く用いられています。
【FRP樹脂(繊維強化プラスチック)で作られた造形物の発注から納品までの流れと期間】
▶︎お問い合わせ・御見積り・お打ち合わせ
▶︎実制作
・型の作成、原型のチェック
・成形型(凹型・メス型)を製作
・FRP製品の成形
・FRP製品の脱型
・FRP製品の表面研磨・下地塗り
・FRP製品の着色塗装、クリアー吹き付け
▶︎納品
〈発注~納品まで〉内容や精度にもよりますが、約1m平方メートルの立体物で約2ヶ月。
ここまでFRPの歴史と概要を書いてきました。
言葉が専門的なので、私も少し気後れしてきましたが、笑、
今度は少し目線を変えて、生活に近い内容でFRPに迫ってみたいと思います。
【FRP造形物の職人技術について】
FRPといえば、身近なところにも沢山存在します。
公園やテーマパークの遊具、大阪道頓堀のカニや餃子やフグなどの立体看板にもFRPが活用されています。
特に職人さんが削り出す造形物は、職人さんの長年磨き上げてきた技術なしには作れませんし、世の中に同じものが二つとない物です。
いわゆるその人のみが持ち合わせているセンスがものをいう世界なのです。ですので、機械では削り出せない形があり曲線があり、
はたまたユーモアがあり温かみがあるのではないかと思います。
そういった職人さんの実直な技術と、心意気が表れるのも立体造形物の良さではないでしょうか。
食品サンプルの章でもありましたが、やはりその個体が偶発的に発生するわけではなく、その背景に様々な文化や人の気質があり、
その想いが物体化し、この世界は出来ているんだなぁと思いました。
自分の今いる世界は、沢山の方の惜しみない努力や良いもの作ろうとする想いの現れだと思うと、
家具ひとつとっても愛おしく感じますね。
少し、情緒的な話になってきましたが笑、FRPについてまとめてまいりましょう!
●20世紀初頭から研究。1930年ごろから実用化へ。
●小さいものから大きいものに使われている
●屋内外OK
●頑丈
●修繕すれば何年でも使える
●軽い、しかし大きいものになると骨組みあるので重い
●輸送・取付費用がかかる
●型押しでない場合は、仕上がりが職人さんの技術により差が出る
軽量で長持ちで頑丈な素材の樹脂!この世界を支えている素材といっても過言ではないということが身に染みました!
次回は、文章としてご説明するのは初めてになるかと思います!
〈【3】【立体看板との比較検討シリーズ】「立体看板ドットコムの立体看板とは?」〉で、
弊社立体看板をご紹介したいと思います!
最後まで、お読みくださり、誠に有難うございました!