2021.02.15
【考察】【1】【立体看板との比較検討シリーズ】「食品サンプルとは?」
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【立体看板との比較検討シリーズ】
このコラムは、新技術で作られた弊社立体看板と、
世の中で、もっともポピュラーな立体物「食品サンプル」「FRPで作られた造形物」の違いを、
以下、4つのメニューで紐解いたシリーズコラムです。
【1】【立体看板との比較検討シリーズ】「食品サンプルとは?」
【2】【立体看板との比較検討シリーズ】「FRP樹脂(繊維強化プラスチック)で作られた造形物とは?」
【3】【立体看板との比較検討シリーズ】「立体看板ドットコムの立体看板とは?」
【4】【立体看板との比較検討シリーズ】「はてさて、3者の違いは何なのか?」
※上記「立体看板」とは立体看板ドットコム独自の製法で作られた立体看板を指します。
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食品サンプルには、美味しそうな見た目だけではなく、宙に浮いたフォークに目を奪われるスパゲッティや、
銀色のソースポットからご飯粒の大海へ注がれるカレールーなど、
「これから食べるぞ!」を擬似体験させてくれるユーモアがありますよね。
私も幼き頃には、店頭の食品サンプルをいつもワクワクした気持ちで見ていた記憶があります。
今回は、そんな食品サンプルを調査していきたいと思います。
【食品サンプルの歴史】
食品サンプルの歴史は諸説ありますが、大正時代からあったとされており、
当時は「料理模型」や「食品模型」と呼ばれていました。
昭和に入り、洋食文化の流行とともに事業化が進み、全国に普及されるようになります。
当時は視覚的に代わりになるようなものがなかったので、今よりさらに高い集客能力を持っていたのではないでしょうか。
2010年ごろまで業務用としてのみ使われていましたが、現在では一般向けにも販売されており、
模型やアクセサリー等、また自分で作れる食品サンプルのキットとして売られており、
食品見本以外の使用用途でも活用されています。
【食品サンプルの概要】
食品サンプルは、飲食店の店頭もしくは店内に陳列される料理の模型で、
料理と等倍の大きさで視覚的に細部まで作られており、同時に商品名や価格を表示することによってメニューの役割をも果たします。
同じ「カレー」といっても、店により形や食材・盛り付けなどが違うため、お客様へどんな料理で、どのくらいの量なのか、
またどんな食材が入っているかを伝える役割も担っています。
近年では日本語が読めない訪日外国人向けにも需要が高まっているとともに、
訪日外国人向けのお土産としても大変人気があり、等倍サイズのみならず、ミニサイズの天ぷらやお寿司も販売されています。
設置場所は、基本は屋内です。
店頭に置く場合は、専用のショーケースなどに入れて設置されています。
使用環境にもよりますが、艶や色は少しずつ経年変化していくため、およそ1年ぐらいで交換になります。
またオーダーメードで作った場合、1人前の料理で約5000~15000円(料理の内容や精度よって変動)となるようです。
食品サンプルは、同じ「カレー」であっても、店舗によって形状や色、盛り付けが異なるため、
1点から作れることで重宝されています。
それらは昔から受け継がれた職人の技術で1つ1つ手作りされています
(熱したロウを、ササっと水に通して作るレタスのサンプルなど、本当に素晴らしい技術ですよね!)。
また近年では、実際の料理から型取りして作られる食品サンプルも多く、
よりリアルな仕上がりとなっています。さらには「食べてみたい!」というお客様の欲求をも
引き出すシズル感(色や艶)を表現する技術の向上もみられます。
【食品サンプルの発注から納品までの流れと期間】
大まかな流れとしては、
▶︎お問い合わせ
▶︎材料や作り方などのヒヤリング
・商品又は料理等の写真、イラスト支給
・商品のサイズ、製作個数
・用途(ご利用方法、展示環境)
・(場合によってはレシピなども提供)
▶︎お見積もり確認・発注
▶︎素材の撮影、型取りする場合は料理自体・付属品のお皿を提供
▶︎試作品の制作
▶︎実制作
▶︎納品
〈発注~納品まで〉おおよそ2~3週間で納品。
【日本国外における食品サンプル】
ーーーーーーーーーーーーーーー(「ウィキペディア (Wikipedia): フリー百科事典」食品サンプル引用)
1958年(昭和33年)、食品サンプル製造会社岩崎は、アメリカ合衆国に3,000個のステーキの食品サンプルを輸出した。
しかし、輸入した企業はビールメーカーであり、飲食物見本としてでなくビールの販促グッズとして用いた。
用途は異なるが、戦後食品サンプルが大量輸出された初めてのケースではないかと考えられている。
食品サンプルの日本国外への普及には多くのメーカーが取り組んできたが、アジア圏では見ることができるものの、
それ以外では実績が挙がっているとは言い難いのが現状である。
この原因について日本人として初めてミシュランの1つ星を獲得したフランス料理人中村勝宏は、
「日本人が食品サンプルを見て料理を選ぶ場合、レシピに忠実な料理が出てくることを期待しており、
一種の「安心感」を基準に物事を決める、日本の食文化の現れではないか」と分析している。
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こんなところにも、異文化での違いが現れるとは、大変面白いことだなぁと思いました。
近年のクールジャパン施策、日本食文化の人気など、まだまだ可能性のある日本を代表する素晴らしい技術だと思います!
これ以降の益々の発展を期待したいと思います!
さて、食品サンプルについてまとめてまいりましょう。
●大正~昭和初期に料理模型として出現
●食品を細部までリアルに表現できる
●ミニ~原寸サイズのものが多い
●基本は屋内で使用
●ホコリや紫外線に弱い
●打ち合わせ・準備するものが多く、大変
●耐久性を考えると割高
●アジア圏以外では文化の違いで、活用されていない
原寸大でのリアルさを追求するには、やはり歴史ある食品サンプルに勝るものはないかもしれませんね!
さて、お次は、〈【2】【立体看板との比較検討シリーズ】「FRP樹脂(繊維強化プラスチック)で作られた造形物とは?」〉で
FRPを深掘りしていきたいと思います!
最後まで、お読みくださり、誠に有難うございました!